師匠 鈴木丈織のベネフィットドクター⑱

経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
お客様を納得させる営業センス(6)

「お値打ち感」を演出する

 スーパーのチラシにも、「今日のお買い得品」と書かれた商品が目に付くところに載っています。これは人が「お値打ち感」のある商品に魅力を感じやすいからです。ただし、「安い商品」と「お値打ち感のある商品」とは違います。

 例えば、1万円のメガネを3000円で買ったとき、店員からいかにも「安物」扱いを受けたのでは、「得な買い物をした」という満足感は得られません。「元から3000円だったんだろう」と猜疑心さえ持ってしまいます。これでは意味がありません。

 人が「お値打ち感」を持つのは、「安いけれど、いいものを買った」と思えたときです。「ふつうなら1万円するメガネを3000円で買えた」そう実感できて初めて、「これはお値打ち品だ」、「私はなんて買い物上手なんだろう」、「今日はとても運がいい日だ」と、心が豊かになり、素直に喜べるのです。不況下に安価は助かりますし、お客様思いのご奉仕品としたいのなら、「たたき売り」ではなく、少なくとも定価と同じように包装したり、丁寧にお渡しすることで、お客様に満足感を与えるようにすべきです。

 具体的には、動作をゆっくりし、静かに丁寧にお渡しすれば、いかにも高級品を扱っているように見えるでしょう。わずかな違いかもしれませんが、お客様への印象はずいぶん違ってくるのです。