師匠 鈴木丈織のベネフィットドクター⑯

経営参謀に欠かせないマインド・スキル・センスの構築
お客様を納得させる営業センス(4)

「所有欲」を刺激する

 お客様に「買いたい」気分になってもらうには、「所有欲」を刺激することが重要です。さまざまな物が豊富に揃っている時代、まして不況下で、さらに「欲しい」と思ってもらうのは大変なことのように思われるでしょう。しかし、人はあくまでも貪欲です。例えば、自分がまるでセレブになったような豪華さが感じられるもの、趣味嗜好にピッタリで心を刺激されるもの、世界に一つしかないような希少価値のあるもの、今までずっと欲しいと思って気になっていたもの等に出会ったとき、「この商品を欲しい」と思います。再び「所有欲」が意識されるからです。

 このときのお客様心理として「モノ」は、自分の延長線上でもあるのです。よいモノを手に入れれば、「ステキね」と、他人から褒めてもらうことができます。それによって、自分自身が褒められたような気になります。これが第4段階へ進むヒントです。

 褒めてもらうために自分の能力や賢明さを自慢するのは躊躇しますが、さりげなく「モノ」を見せれば『よい買い物ができる知恵と財力と情熱があるのだ』と伝えることができます。相手も「へぇ~、なるほど。それはよかったね。うらやましいな」となります。つまり、自分が憧れるものに他人も憧れます。自分が憧れるものを買うことで、人に憧れの目で見てもらいたい、褒めてもらいたいというわけです。