師匠 鈴木丈織のベネフィットドクター⑪

明るい健康的な社風づくり

 低迷している事務所の社風は暗くなりがちで、改善する気力のない場合が多いでしょう。社員たちには、次のような不平不満もあるようです。

●トップが会社を私有化している(公私混同)
●無能な幹部に対する不信感
● 所長の経営能力に対する不信(問題を解決できない、変化に対応できないなど)
●社員を信用せず、意見も聞かない(秘密主義)
● 社員は協調性がなくなり、バラバラ(無気力で自己中心的な烏合の衆)

 このような不満がある企業に発展は望めません。いくら幹部を育成しても、だれもついてこないでしょう。社風こそ「企業が繁栄する原動力」です。明るい健康的な社風づくりを幹部候補とともに考えるようにすると、幹部育成と一石二鳥の効果が得られます。

 次の点を目標にして改革することが重要です。

1.社員の自己改革を図る

 社風の刷新は所長の革新にほかなりません。うぬぼれ・頑固・傲慢・優柔不断など、自分の欠点表を作って改めるように努めること。

2.社内の秩序を正す

 所長が率先して秩序やルールを垂範すること。所長がルール違反の常習者では、企業は無法地帯になってしまいます。

3.社内の問題点を改善する

 積極的に問題点を取り上げ、全員で取り組むようにすると、そこから新しい気運がうまれます。

4.所長の値打ちは業績にある

 すぐれた能力を持つ所長には社員は黙ってついてくるものです。所長の業績によって社風は迫力と新鮮さを増します。現状に満足せず、高慢心を捨て向上を目指して努力すること。

5.陽性経営に徹する

 企業の中心にある所長は陽気であるべきです。福の神や喜びごとは陽気で楽しいところに集まってくるものです。

6.必要な数字は社員に公開する

 社員の関心事である会社の状態をあらわす数字は、できる限り公開します。数字を秘密にしていては、いくら発破をかけても逆効果です。

7.みんなで稼ぎ、みんなに配る

 運命共同体である会社は、同時に利益共同体でなければなりません。みんなで稼いだら、その分みんなに配分するべきなのです。