師匠 鈴木丈織のコラム 2012.2.13

「人生は一箱のマッチに似ている。

重大に扱ふにはばかばかしい。重大に扱はなければ危険である」

芥川龍之介(作家)

今、私たちは生きているのですから、今を大切にすればよいのです。

「明日は明日の風が吹く」という楽観的な見方は、私たちの焦る心を包み込んでくれます。

しかし、一方で「明日こうなりたい」という希望の気持ちを、心のどこかにもっていないと

人間は生きていけません。

今日を大切にする楽観的な気持ちと、明日への高らかな期待。

人間は常にこの狭間で揺れ動いているのです。

この言葉は人生の両極の考え方を示しています。

菊池寛に「人生を銀のピンセットで弄んでいる」と評された彼ですが、

絶えず現実の再構成に努めました。