師匠 鈴木丈織のベネフィットドクター⑤

部下の心の「不滅の法則」を知る

 人はテクニックのみでは動きません。だれもが持っている「心の不滅の法則」を知った上で、テクニックを使うときテクニックを活かすスキルとなるのです。

1.「防衛する心」を取り除いて、ラポールを築く

 部下ととことん話し合える双方向のコミュニケーションに自信が持てるでしょうか。

 「昨日、今日の付き合いじゃないから大丈夫」ではなく、部下に安心させましょう。部下は、『バカだと思われないか』『評価が下がるんじゃないか』と自己防衛する心があります。人間関係は「時間より質」。「防衛する心」を取り除くためには、部下の価値観を把握し、尊重し、複数の視点、広い視野を持って部下を受けとめ、本音を引き出すようにしなければなりません。そうすれば『所長に話せばわかってくれる』となり、部下との間にラポール(信頼性、親密性のある心の交流)を築くことができます。

2.「自己主張する心」を認めて、さらに引き出す

 「なぜできないんだ!」と部下を怒鳴ったら、できない言い訳は山ほど出るでしょう。頑張っている自分を認めてもらいたいからです。叱責だけでは反省や建設的な意見はなかなか出てきません。余計に心を閉ざしてしまいます。

 「自己主張する心」をマイナスにせず、プラスに使うのがポイントです。「何が具体的な問題点だったのか」「そこまで達成するには今何ができる」「それからどうしたい」と聞いていくと、部下自身が解決策を見つける思考をスタートさせます。そして、部下の状況に共感しながら、いつまでに何をどうするか具体的行動を言葉に置き換えることを促します。部下は思考をまとめる力を伸ばし、目標が明確になって行動しやすくなるのです。

3.「いつも成功したいと願う心」をつかみ、目標をビジュアル化する

 せっかく目標を設定しても、部下の行動をイメージする力を伸ばさなければ、「絵に描いた餅」です。さらに実際の行動につながる実行アイデアが必要です。

 計画を立て、視覚に訴える工夫をして具体性を増します。成功への道を一緒に作り上げましょう。人はだれでも「いつも成功したいと願う心」があるのです。

部下の心の不滅の法則

1.防衛する心
2.自己主張する心

3. いつも成功したいと
願う心
変わる部下の能力

「聞く力」
「思考をまとめる力」
「行動をイメージする力」

効  果

ラポールを築く
さらにプラスを引き出す
目標をビジュアル化する

       
        結果: 部下自ら結果を出す