師匠 鈴木丈織のベネフィットドクター③

幹部職員育成は双方向コミュニケーションづくりから

 「夢を同じくする職員、信頼できる部下などいない」と諦める必要はありません。あなたが本当に部下を信頼すれば、部下も信頼に応えようとするでしょう。お客様である企業経営者に求められるマインドを持った、信頼できる幹部育成に必要なのは、とことん話してみること。所長と部下との密なコミュニケーションが重要です。

 所長自身の具体的なコミュニケーション能力、例えば、要求する力、質問する力、聞く力、気づく力、表現する力を高めていくと、部下との一対一のやりとりを戦略的に行うことができ、それが部下の聞く力、思考をまとめる力、行動をイメージする力、支えあう力、目標必達する力に変化をもたらします。信頼できる幹部育成につながります。

 部下が心を開く双方向コミュニケーションの心構えを身につけましょう。

1.無条件に受けいれる

 「そんな考え方はおかしい」「全く甘すぎる」など、頭から否定せず、まずは黙って最後まで部下の話を聞くこと。全人格を無条件に認めてもらって初めて本音で話せます。

2.共感的に理解しようとする

 自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の立場になって相手が感じている気持ちをそのまま理解しようとすること。そうすれば、悩みの本質がわかり、解決策を考えることができます。

3.自分自身に正直であること

 一貫性のある言動、誠実さ、自己統制できることがリーダーの努め。

4.相手の表情や態度の変化をよみとる

 席を立つ回数が増えた、ため息が多くなったなど、部下の小さな変化を見落とさないこと。話を聞くときにも、相手の表情や態度の変化を見落とさず、そこに現れている本音のメッセージをよみとって支援してあげること。

5.部下にフィードバックする

 「今日、君が言ったことを私はこう理解したけれど、いいかな」と素直に具体的に確認すること。そして、相手の状況を考えて、相手の中の変化が可能なところをみつけて指摘します。これにより、部下を支援しあなたとの信頼関係が増すことによって突破口が開けるでしょう。