師匠 鈴木丈織のベネフィットドクター①

ベネフィットドクターに求められるマインドとは

 今やITが常識になり、社会や企業をとりまく環境は早く、広く、複雑です。今までのような「勘と経験と度胸」頼りの自己判断では経営の難局を乗り切ることは非常に難しく、科学的な裏づけのある手法による経営判断が重要になってきております。

 中小企業の経営者はとくに、依頼している税理士や会計事務所にただただ数字を確認し、税金の計算をしてもらうだけではなく、コンサルタントとして経営についての判断やアドバイスも得ることを強く望んでいます。

 したがって、これからの税理士事務所・会計事務所はお客様の利益診断を総合的に行う「ベネフィットドクター」としての存在価値が求められているのです。それは、さまざまなお客様のニーズに対応し、信頼され親身になってそのお客様である経営者に協力できる税理士です。

 そのため、今こそ、数字分析だけが優秀な人材ではなく、下記マインドをもった「ベネフィットドクター」としてお客様の成長にお役立ちできる経営参謀が必要なのです。

1.経営者のよき理解者であること

 孤独な経営者の片腕で、ある意味、副社長のような形で、経営をトータル的に把握し、検討し、サポートできる経営参謀となれる能力が、経営者のよき理解者であることになります。

2.経営者の主治医でありカウンセラーであること

 経営者とは違う視点から企業の現状・経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の状況や活用度・社員の活性度・財務体質などについて常に客観的なチェックをして企業診断し解決方法や打開策を提案できる能力。さらに、社員の活性化や健全な社風の組み立て方などの精神的なケアや、会社のみならず、経営者や役員個人に対しても十分に相談にのれる能力を持つことが必要となります。その能力が、経営者の主治医でありカウンセラーになるということになります。

3.提案が共振作用のように経営者に伝わること

 経営者と二人三脚に似た共同意識を持っている必要があります。新しい提案を押し付けるのではなく、経営者とともに考え出したように発案できる能力が必要です。経営者と二人三脚であれば、提案が共振作用のように経営者に伝わります。

4.経営者に大切にされる身近な「コネコ」のような存在であること

 (コ)顧問先に、(ネ)熱心に、(コ)コミュニケーションできる能力。経営者の絶対的な味方となれます。言葉で示すと非常に簡単に見えますが、なかなか多くの税理士事務所では出来ていないことです。しかし経営者は求めております。コネコの存在、必要です。

日本の中小企業を支える
「ベネフィットドクター」マインド
 1. 経営者のよき理解者
 2. 経営者の主治医でありカウンセラー
 3. 提案が共振作用のように経営者に伝わる
 4. 経営者に大切にされる身近なコネコのような存在