平成28年度分確定申告

株式等の譲渡取得の計算に留意(2017年1月26日)

株式等に係る譲渡取得の課税は、申告分離課税で国税15%(別途復興税有)、住民税5%です。しかし、平成28年1月1日以後の株式等に係る譲渡所得については、上場株式等に係る譲渡所得とそれ以外(一般)の株式等に係る譲渡所得とは区分され、それぞれ別のものとして税額計算がなされます。

 

両者の損益通算はできない

この区分計算の理由は、平成28年度分から上場株式等に係る譲渡損失または譲渡益と一般株式等に係る譲渡益または譲渡損とが、それぞれ両者間で損益通算ができなくなることによるものです。

それでは、平成27年度分以前の各年分において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額で平成28年分に繰り越されたものについてはどうか、ですが、一般株式等に係る譲渡所得の金額から繰越控除することはできません。

もちろん、平成28年度分における上場株式等に係る譲渡所得の金額および上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除することはできます。

 

特定公社債等の利子と譲渡損益

 また、特定公社債の利子や譲渡による所得も平成28年度分から申告分離課税(所得税15%、住民税5%)の対象とされました。

そして、これらの所得間、上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したものに限る)および譲渡所得との損益通算ならびに特定公社債等の譲渡損失の金額についても、確定申告を連続して提出することにより、3年間の繰越控除ができるようになりました。

なお、特定公社債等の償還または一部解約等により交付を受ける金銭の額および金銭以外の資産価額の合計額については、これを特定公社債等の譲渡所得の収入金額とみなす、とされました。

 

特定公社債等とは

ちなみに、特定公社債等とは、特定公社債と公募公社債投資信託からなり、特定公社債は、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債(同族会社が発行した社債を除く)などの一定の公社債をいいます。

なお、損益通算及び繰越控除の対象となるものは、金融商品取引業者等を通じて売却する場合など、一定の売却になります。