余談ですが、こんな改正もある

漢字も正誤表のような

年年→年々、こえる→超える、費用の合計額→費用の額の合計額、国外転出をした日→国外転出の日、該当各号に掲げる→該当各号に定める、次の各号の一に該当するときは→次の各号のいずれかに該当するときは、隠ぺいし→隠蔽し、有しない者にあつては→有しないものにあっては、死亡した日→死亡の日、該当積み立てた→その積み立てた、取りくずした→取崩した、「又は」→「、又は」・・・。

 

税制改正条文を見ていると 

今年の税制改正で、実質な改正項目ではなく、文字の表記にのみこだわった改正箇所がありました。前記はその一部です。少しだけ拾ってみました。

拾っているとキリがありませんが、これらは、今年に限ったことではなく、毎年見られることです。改正条文の中に、法律としてあるべき文字表記ではないものがあるときに、ついでにあるべき表記に訂正しておく、といった作業です。

 

傾向を追ってみると

「隠蔽」などという表記変更を見ると、時代をさかのぼるような印象があります。たな卸資産→棚卸資産、補てん→補填・・・などは同じ傾向の表記変更で、漢字化を強めようとする意思が働いているように思われます。

同じく、付則→附則、寄付→寄附への表記変更は、どちらも常用漢字なので放置して構わなかったものなのですが、税法条文からはもはや「付則」「寄付」は完全に追放されています。

逆に、該当→その、の表記変更は傾向としては逆方向です。全て→すべて、但し→ただし、などの表記変更も逆の方向の傾向性を感じます。

今年のこだわり改正で特に目に溜まったのは、掲げる→定める、の表記変更でした。例えば、「上欄に掲げる区分に応じ、それぞれの下欄に掲げる金額」というような「掲げる・・・掲げる」の条文はたくさんあるのですが、この表記を「掲げる・・・定める」に変更をしています。

 

法律の業界表記も変化

 判決や法律の条文では「っ」は使わず「つ」で表現するものと思っていたら、前記のように「つ」を「っ」に改めている条文がありました。しかし、他の条文を見る限る、一斉に定める、ということをしていません。なお。税制でも附則の条文には「っ」が以前からたくさん使われています。