平成26年分 国外財産調書の提出状況

平成26年1月から施行された「国外財産調書提出制度」により、その年の12月31日時点で5,000万円を超える国外財産を保有する居住者は、保有する財産の種類や数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を翌年の3月15日までに所轄税務署長に提出しなければならないこととされたが、国税庁が公表した平成26年分の国外財産調書(平成26年12月31日における保有状況)の提出状況によると、提出件数は8,184件、その国外財産価額の合計額は3兆1,150億円となった(平成27年6月末までに提出されたものを集計)。
局別の提出件数をみると、「東京局」が5,382件(構成比65.8%)で最も多く、次いで「大阪局」1,054件(同12.9%)、「名古屋局」632件(同7.7%)の順であり、財産額では「東京局」が2兆3,501億円(同75.4%)、「大阪局」3,637億円(同11.7%)、「名古屋局」1,648億円(同5.3%)と、この3局で全体の約9割を占めている。財産の種類別総額では、「有価証券」が1兆6,845億円(構成比54.1%)と半分以上を占め、次いで「預貯金」5,401億円(同17.3%)、「建物」2,841億円(同9.1%)、「貸付金」1,164億円(同3.7%)、「土地」1,068億円(同3.4%)と続いている。
なお、平成27年度税制改正において、「財産債務明細書」が見直され、新たに「財産債務調書」として整備し、確定申告書を提出しなければならない者で、その年分の各種の所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日において、価額の合計額が3億円以上である財産、又は価額の合計額が1億円以上である国外転出特例対象財産を保有する場合には、その財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額その他必要な事項を記載した財産債務調書を提出しなければならないこととなった。この財産債務調書を提出する者でも、その年の12月31日において5,000万円を超える国外財産を保有する場合には、国外財産調書の提出も必要となる。