平成28年度税制改正に向けた各府省庁の要望

平成28年度税制改正に向けた各府省庁の要望が公表され、単純集計で要望項目数は222(重複排除ベースで167)、廃止・縮減項目数は2となっている。企業に影響する要望には、主に以下のような項目がある。

【法人実効税率の引下げ】

・税率引下げ幅の更なる上乗せを図り、法人実効税率を20%台に引き下げることを目指す。

【「攻めの経営」を促す役員給与等に係る税制の整備】

・コーポレートガバナンスが強化されている上場企業等を対象に、役員給与の損金算入が認められる範囲の見直し等を講じ、売上高やROE等の利益以外の指標などへの対応を含め、多様な業績連動報酬や株式報酬の導入を促進する。

【国家戦略特区における税制上の支援措置の創設】

・国家戦略特別区域計画に定められた事業を実施する一定の法人について、所得金額の一定割合を課税所得から控除できる制度を創設する。・国家戦略特区における創業5年以内の一定の企業について、法人税を軽減する措置を創設する。

【地方における企業拠点の強化を促進する税制措置の拡充】

・地方拠点強化税制により拡充される雇用促進税制の適用を受ける法人等が同一事業年度において、所得拡大促進税制の適用を受けられるようにする。

【地方創生応援税制の創設(企業版ふるさと納税)】

・地方公共団体が行う一定の地方創生事業に対して企業が行う寄附について、現行の損金算入措置に加え、法人税(及び法人住民税)から税額控除ができる制度を創設する。

【取引相場のない株式の評価方式に関する見直し】

・取引相場のない株式の評価方法の一要素である上場企業の株価の上昇に伴い、中小企業の株価が想定外に高く評価される可能性があることから、税制措置等の見直しを行う。

【外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充】

・免税の対象となる一般物品の最低購入金額を「10,000円超」から「5,000円以上」に引き下げる等の拡充を行う。

【個人事業者の事業用資産に係る承継時の軽減措置の創設】

・個人事業者の事業承継時において、保有する事業用資産に係る相続税・贈与税の負担軽減措置を創設する。