国税の滞納残高は16年連続で減少し、1兆646億円

国税庁が公表した「平成26年度租税滞納状況」によると、今年3月末時点での国税の滞納残高(前年度繰越額+新規発生滞納額-整理済額)は、前年度比6.7%減の1兆646億円となり、16年連続で減少した。

新規発生滞納額は、平成25年度まで5年連続で減少していたが、平成26年度では前年度比8.0%増の5,914億円と増加に転じた。しかし、整理済額が6,681億円(前年度比1.2%減)となり、新規発生滞納額を767億円上回ったことから滞納残高の減少につながった。

また、平成26年度の滞納発生割合(新規発生滞納額5,914億円/申告などにより課税された徴収決定済額53兆5,201億円)は1.1%と10年連続で2%を下回り、前年同様に国税庁発足以来、最も低い割合となっている。

税目別でみると、消費税の新規発生滞納額が前年度比17.1%増の3,294億円と大幅な増加となり、新規発生滞納額全体の約56%を占めている。増加した要因は、平成26年4月から消費税率が8%に引き上げられた影響によるもの。一方で、整理済額は3,380億円(前年度比5.3%増)と新規発生滞納額を上回ったため、消費税の滞納残高は15年連続で減少し、3,477億円(同2.4%減)となった。

法人税については、新規発生滞納額が674億円(同2.5%減)、整理済額が826億円(同8.9%減)となったため、滞納残高は1,267億円(同10.7%減)と7年連続で減少している。このほか、所得税や相続税なども整理済額が新規発生滞納額を上回り、全税目において滞納残高が減少した。

なお、定められた期限までに税金を納付しなかった場合には、原則として延滞税が課せられることになるが、延滞税の割合は平成26年から、①納期限の翌日から2ヵ月を経過する日までは、年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合、②納期限の翌日から2ヵ月を経過した日以後は、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合となっている。そのため、平成27年における延滞税は、①年2.8%、②年9.1%である。