特別試験研究費税額控除制度の拡充

特別試験研究費税額控除制度の拡充

企業等におけるオープンイノベーション(企業が自前主義でなく、自他の技術等を幅広く活用して事業化や価値創造に取り組むこと)を促進するため、平成27年度税制改正において、試験研究のために使用した費用の一定割合を税額控除できる研究開発税制の一部である特別試験研究費税額控除制度(オープンイノベーション型)が拡充され、平成27年4月1日に施行された。

これに伴い、

①控除率の引き上げ(国の試験研究機関、大学等との共同・委託研究は30%、その他は20%)、

②控除上限の別枠化(総額型とは別枠で、法人税額の5%相当額)、

③委託試験研究の相手方の追加(公益法人、地方公共団体の機関等を追加)、

④対象費用の拡大(中小企業に支払った知的財産権の使用料等を追加)、といった措置が講じられている。

同制度で控除対象となる特別試験研究費とは、国の試験研究機関、大学その他の者(民間企業・民間研究所・公設試験研究機関等)との共同試験研究、国の試験研究機関、大学又は中小企業者に委託試験研究、中小企業者から知的財産権の設定又は許諾を受けて行う試験研究などに要した費用である。

具体的には、共同試験研究の場合、契約又は協定に基づく自社外試験研究費(相手方が支出した共同試験研究に係る試験研究費のうち、申告法人が負担したもの)と自社内試験研究費(申告法人が自らの負担で支出したもの)の両方が対象となる。また、委託試験研究の場合、契約または協定に基づき、相手方が支出した費用のうち、申告法人が負担したものが対象。

中小企業者から知的財産権の設定又は許諾を受けて行う試験研究については、その中小企業者に支払った知的財産権(特許、実用新案、ノウハウ等)の使用料が対象となる。

なお、同制度を活用するために計上した共同試験研究・委託試験研究に要した費用や知的財産権の使用料については、総額型税額控除制度又は中小企業技術基盤強化税制における試験研究費として計上することはできない。