サービス付高齢者向け住宅の税制優遇措置

サービス付高齢者向け住宅の税制優遇措置

日本における65歳以上の高齢者人口は、総務省の推計(平成26年9月時点)によると3,296万人で、総人口に占める割合は25.9%となっている。

約4人に1人が高齢者となり、今後さらに高齢化社会が進行する中、安心して生活ができる住宅の確保を目的に「高齢者住まい法」が改正され、平成23年10月に「サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ付高齢者住宅)」の都道府県知事への登録制度が創設された。

サ付高齢者住宅とは、バリアフリー化された居住空間で医療・介護等のサービスを提供する住宅のことで、制度創設以来、全国の登録数は増え続けており、平成27年3月時点では5,493棟、177,722戸にのぼる。

同制度では、サ付高齢者住宅の供給促進のため、補助・税制・融資による支援制度が設けられている(税制及び融資制度は、サ付高齢者住宅として登録された賃貸住宅に限られる)。

税制の支援措置では、サ付高齢者住宅を新築等(新築後まだ居住の用に供されたことのないものの取得を含む)し、一定要件を満たす場合に、所得税・法人税の割増償却、固定資産税の減額、不動産取得税の軽減措置を受けることができる。

このうち、固定資産税と不動産取得税の措置は、適用期限が平成27年3月までとなっていたが、平成27年度税制改正により、平成29年3月まで2年間延長された。ただし、固定資産税の措置内容が変更され、従来は税額を5年間「2/3軽減」だったが、平成27年4月以後に新築等したものは「2/3を参酌して1/2以上5/6以下の範囲内において市町村が条例で定める割合を軽減」となった。

なお、所得税・法人税の割増償却の適用期限は平成28年3月までだが、平成27年4月以後に新築等したものの割増償却率は、従来の40%(耐用年数35年未満は28%)から20%(同14%)になる。