今月から施行された結婚・子育て資金に係る非課税措置

今月から施行された結婚・子育て資金に係る非課税措置

平成27年度税制改正法が3月31日に成立した。これにより、新たに創設された「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が、今月からスタートしている。

同制度は、両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚、出産、育児を後押しするため、20歳以上50歳未満の受贈者に対して、直系尊属が結婚・子育て資金として金銭等を一括贈与した場合は、受贈者ごとに1,000万円(結婚関係の費用は300万円が限度)まで贈与税を非課税とする措置で、平成31年3月31日までに行われる贈与に適用される。具体的には、金融機関と契約し、受贈者名義で開設した専用口座において贈与した資金を管理することになる。

専用口座から結婚・子育て資金として払い出すためには、結婚・子育て資金の支払いに充てたことを証明する領収書等を金融機関に提出する必要がある。

結婚に係る費用で非課税の対象となるのは、結婚に際して支払う*挙式費用、*衣装代等の婚礼(結婚披露)費用、*家賃・敷金等の新居費用、*転居をするための引越費用など。また、妊娠、出産、育児に係る費用としては、*不妊治療、妊婦健診、出産のための費用、*産後ケアのための費用、*小学校就学前の子の医療費、*幼稚園、保育所、ベビーシッター等に支払う費用などが対象となる。

なお、口座契約は、①受贈者が50歳に達した場合、②口座の残高が0になり、その口座に係る契約を終了させる合意があった場合、③受贈者が死亡した場合に該当した時点で終了となるが、①または②に該当した時点で残額(非課税拠出額から結婚・子育て資金として認められた支出額を控除した額)がある場合は、契約終了日に贈与があったものとして、その残額は贈与税の課税対象となる。

また、契約期間中に贈与者が死亡した場合における残額については、相続等により取得したものとみなされ、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算することになる。