平成25事務年度における租税条約等に基づく 情報交換

平成25事務年度における租税条約等に基づく 情報交換

経済のグローバル化に伴い、企業や個人における海外取引や海外資産の保有・運用形態が複雑・多様化している中、国際的な脱税や租税回避行為への対応を強化するため、各国では、租税条約等に基づく情報交換の枠組みの拡大・強化が図られている。我が国においても、二国間の租税条約等及び多国間の執行共助条約を併せると、発効済みの租税条約等は63、適用対象国・地域は88ヵ国・地域まで増加している(平成26年 11月1日現在)。

国税庁が公表した平成25事務年度(平成25年7月~平成26年6月)における租税条約等に基づく情報交換事績によると、外国税務当局に必要な情報の収集・提供を要請する「要請に基づく情報交換」は、国税庁から外国税務当局に720件(前事務年度535件)の要請が行われ、地域別ではアジア・太平州の国・地域向けの要請が469件と、全体の約6割を占めている。

一方、外国税務当局から国税庁に要請された件数は106件(同151件)であった。

外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供する「自発的情報交換」については、国税庁から外国税務当局に提供した件数が6,881件(同472件)、外国税務当局から国税庁に提供されたのは3,062件(同92件)である。

大幅な増加となったのは、国税庁が法定調書である国外送金等調書を基にオフショア地域を通じた資金の流れを資料化し、関係国の税務当局に提供する一方、外国税務当局からは日本の居住者が国外において行った資産の譲渡に係る情報を入手するといった取組が反映されている。

また、法定調書等から把握した非居住者への支払等に関する情報を、支払国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付する「自動的情報交換」は、国税庁から外国税務当局に約12万6千件(同約9万1千件)、外国税務当局から国税庁に約13万3千件(同約12万5千件)が提供された。