国外財産調書の提出は5539件、総額2兆5142億円

国外財産調書の提出は5539件、総額25142億円

近年、国外財産の保有が増加傾向にある中、所得税や相続税の課税の適正化が喫緊の課題となっていることから、平成24年度税制改正では、納税者本人から国外財産の保有について申告を求める仕組みとして「国外財産調書提出制度」が創設され、平成26年1月から施行された。

これにより、その年の12月31日時点で5千万円を超える国外財産を保有する居住者は、保有する財産の種類や数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を翌年の3月15日までに所轄税務署長に提出しなければならないものとされ、平成25年12月31日時点で保有する国外財産から提出の対象となった。

国税庁が公表した国外財産調書の提出状況によると、初めての提出となった平成25年分国外財産調書は、提出件数が5539件で、その国外財産価額の総合計額は約2兆5142億円となった(平成26年5月13日までに処理したもの)。

局別の提出件数では、「東京局」が3755件(構成比67.8%)で最も多く、次いで「大阪局」が638件(同11.5%)、「名古屋局」が457件(同8.3%)の順となっており、この3局で全体の87.6%を占めている。財産額では、「東京局」が2兆989億円で総財産額の83.5%を占めており、「大阪局」は1793億円(同7.1%)、「名古屋局」は931億円(3.7%)となっている。

また、財産の種類別総額では、「有価証券」が1兆5603億円(構成比62.1%)で最も多く、次いで「預貯金」3770億円(同15.0%)、「建物」1852億円(同7.4%)、「土地」821億円(同3.3%)、「貸付金」699億円(同2.8%)と続いている。

なお、平成27年1月1日以後に提出すべき国外財産調書から、偽りの記載をして提出した場合又は正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることになるため、注意が必要だ。