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25年度査察の脱税総額は39年ぶりの低水準

国税庁が公表した平成25年度査察調査の概要によると、平成25年度中に処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)した件数は185件で、その脱税総額は前年度を29.4%下回る約145億円となり、昭和49年(約123億円)以来、39年ぶりの低水準だった。これは、脱税額3億円以上の大口事案が前年度を7件下回る4件と、大幅に減少したことなどが要因。

また、処理件数185件のうち、検察庁に告発した件数は118件で、告発率は63.8%となった。

告発件数を税目別で見ると、法人税が64件(割合54%)と最も多く、次いで所得税18件(15%)、消費税16件(14%)、相続税6件(5%)となっている。告発の多かった業種は、「クラブ・バー」「不動産業」「建設業」「情報提供サービス」「保険業」です。

その脱税の手段・方法として、クラブ・バーでは、ホステス報酬に係る源泉所得税について徴収していたにもかかわらず納めていなかったもの、不動産業では不動産販売に係る売上と仕入の両方を除外する方法で取引を隠していたもの、建設業では関係会社に対して架空の外注費を計上していたもの、情報提供サービスでは所得を一切申告していなかったもの、保険業では架空の接待交際費を計上していたものなどが見られた。そのほか、消費税事案では、基準期間の事業主体を偽ることで納税義務がないものと仮装し、事業に係る消費税について申告書を一切提出せず不正に免れていたものや、課税売上となる建物の売却収入を非課税売上となる土地の売却収入に仮装していたもの、相続税事案では、相続財産の一部が相続人名義で預金されていたことを奇貨として当該預金を相続財産から除外していたもの、源泉所得税事案では、従業員に対する給料を支払手数料に仮装する方法で源泉所得税を徴収せずに納付していなかったものがある。

なお、脱税によって得た不正資金を現金で留保していた事例では、台所の床下貯蔵庫に置かれた段ボール内の金庫や、ベッドのマットレスの下に保管された紙袋などに現金が隠匿されていた。