ゴルフ会員権等に係る損益通算は3月で打切り
近年、税制改正の議論のたびに見直しの俎上に上げられてきた ゴルフ会員権等の譲渡損失と他の所得との損益通算がついに打ち切られる予定だ。
現行制度では、ゴルフ会員権等を売却したときの所得は譲渡所得として 事業所得や給与所得などと合わせて総合課税の対象となるため、譲渡損失が出た場合には、 事業所得や給与所得など他の所得との損益通算ができる。
しかし、平成26年度税制改正大綱に、 「譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない 生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養または 鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)を加え、 平成26年4月1日から適用する」ことが盛り込まれた。
所得税法では、生活に通常必要でない資産として、 ①競走馬その他射こう的行為の手段となる動産、 ②通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、 娯楽または保養の用に供する目的で所有するもの、その他主として趣味、 娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産、 ③生活の用に供する動産で1個または1組の価額が30万円を超える貴石、半貴石、貴金属、 真珠及びこれらの製品、べっこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品、 書画、こっとう及び美術工芸品、と規定されており、 今回の改正では、②の範囲に、 「主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産」を加える。
これにより、ゴルフ会員権やリゾート会員権などは、 今年4月1日以後に行う譲渡から他の所得との損益通算や雑損控除ができなくなる。
適用まであと1カ月程度の期間しか残されていないが、譲渡損失が出るゴルフ会員権等を所有し、 利用もしていない場合には、売却を検討する必要があろう。