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租税条約に基づく情報交換の実施状況(平成24年度)


近年、海外取引や海外資産の保有・運用が増加するなか、「国外財産調書」の
提出が義務付けられたことにより、居住者(非永住者は除く)はその年の12月31日において
5,000万円を超える国外財産を有する場合、その国外財産の種類、
数量および価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を翌年の3月15日までに
提出しなければならなくなった
(平成25年12月31日の保有状況から適用)。

国税庁は、租税条約等に基づく外国税務当局との情報交換などにより国外財産の把握に努めているが、
平成24年度における情報交換の実施状況によると、法定調書等から把握した非居住者への支払い等
(配当、不動産所得、無形資産の使用料、給与・報酬、キャピタルゲイン等)に関する情報を、
支払い国の税務当局から受領国の税務当局へ送付する「自動的情報交換」について、
外国税務当局から国税庁に提供されたのは約13万8,000件、
国税庁から外国税務当局への提供は約9万1,000件であった。

また、個別の納税者に対する調査等で、国内で入手できる情報だけでは事実関係を
十分に解明できない場合に、条約等相手国・地域の税務当局(外国税務当局)に必要な情報の
収集・提供を要請する「要請に基づく情報交換」について、国税庁から外国税務当局に発した
要請件数は634件で、そのうちアジア・大洋州の国・地域向けの要請が373件と、
全体の約6割を占めている。一方、外国税務当局からの要請件数は155件であった。

この他、自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で外国税務当局にとって
有益と認められる情報を自発的に提供する「自発的情報交換」が、
外国税務当局から提供された件数は33件、国税庁から提供した件数は364件である。

なお、国際的な脱税および租税回避に適切に対処するための多国間の枠組みとして
税務行政執行共助条約が平成25年10月1日に発効された。
これは、本条約の締約国間で租税に関する行政支援(情報交換・徴収共助・送達共助)
を相互に行うための多国間条約であり、日、米、英、仏、伊、韓など30カ国が発効している。