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資金繰りの王道「借入金」⑥

 

前回コラムの続きです。

「現金主義」と「発生主義」の違い。

「現金主義」は手元のお金が増えていたら、利益が出たと考えてよいでしょう。

「発生主義」の場合ですと、手元のお金が増えた減ったでは利益がいくら出たかはわかりません。手元のお金の増減と、あといくら入金されるのものがあって、同時にあといくら支払わなければいけないのか。その未入金と未払のものの額がわからないと、利益の確定はできません

この未入金のものと未払のものの入金の時期と支払の時期のずれが、多くの場合、手元にお金がないのに、利益が出て税金を支払わないといけないという状態になります。

現金商売でない場合、多くの場合入金は30日後であったり60日後。支払の方に関して言えば、日常の経費などは、その都度払い。仕入や外注費がある場合だとしても、せいぜい30日後。

 

例えば入金が60日後の場合、その都度支払わなければいけない経費の支払いが2ヶ月分、仕入や外注費の支払いが1ヶ月分。入金より早く支払時期が訪れます。

このズレがお金が足りなくなる大きな理由の一つであり、このズレの分を賄うために借り入れをします。

 

この場合の借入は、経費の2ヶ月分と、仕入や外注費の1ヶ月分を支払うために2ヶ月分売り上げの未入金になっているものを借り入れます。ただ単に前借です。その前借を返していくわけですから、そもそも利益が出ないと返済ができないということになります。

 

そう、すべてがいつもニコニコ現金払いであれば、お金を借りる必要は基本的にはいらないのです。