どうする!?個人で開業!!㊻

資金繰りの王道「借入金」⑤

 

前回のコラムの内容をもう少し深めに。

お客様に本当によく言われますが、手元にお金が残っていないのに、何で利益が出て税金を支払わなくてはいけないのですか?と。

 

会計では、実際のお金の動きと商売の成績である利益(個人事業主の方の場合、確定申告の処理と考えていただいてもかまいません)は、比例しません。

なぜなら会計では、売上や費用の認識を「現金主義」ではなく、「発生主義」で行うからです。

 

ややこしくなってきましたね(笑)。少々お付き合いください。このずれが何となくでも構いませんが、何となくでもわかっていただけないと借金返済時に、元本が経費にならないなどの部分のお金の流れと、利益計算が合致しないことに心が抵抗してしまい、結果、手元にお金が残っていないのに税金を支払うことに納得がいかず、ご自身が損した気分になってしまいます。

 

それでは、現金主義と発生主義の説明です。

「現金主義」とは、例えば売上代金100万円が実際に入金されたときに、売上を認識し、仕入代金を70万円実際に支払った時に、仕入という経費を認識します。

「発生主義」とは、売買契約を交わした日とか、商品を納入した日、など売上の事実が発生したときに、売上を認識します。

 

 実際何が言いたいかといいますと、売上の認識時期と、実際の現金の動きとは必ずしも一致するとは限りません。この不一致が理由でズレが生じるということなのです。

したがって、冒頭にも書きましたが、お客様のボヤキのとおり、営業成績が黒字なのに、手元にお金が全然残らないという現象が起きてしまいます。

 

 

次回コラムに続きます。