資金繰りの王道「借入金」④
借金返済で資金繰りが悪くなります。このお話は、非常に多くの会社で言われます。もちろん個人事業の方でも、借金をして事業を運営していた場合、同じことになります。
前回のコラムで書いた、商売で利益を出さないと借金の返済ができないというお話。
利益が出ると個人事業主の方の場合、所得税と住民税、及び利益が大きめの場合事業税がかかります。大まかなことを書きますと、
その年の利益 + 減価償却費 - 所得税・住民税・事業税
= その年の借入金返済可能額
となります。もちろんその年の利益から経費にならない家計費(個人的な飲食費や居住にかかる支払)を上記式からさらにマイナスにしないといけませんが、今回は分かりにくくなるので、そこは省きます。
減価償却費を利益にプラスするお話は、後でしますが、大前提として利益が出ないと返済できません。
と言うのは、借金とは将来払うべきものを今払うために借り入れし、将来の売上で、その借金を支払っていくという性質のものだからです。
もしすべての入金と支払が現金でやり取りをし、設備投資(注)をしない商売でしたら、本質的には借金をする必要がありません。なぜなら赤字でない限り、お金が足りなくなることがないからです。
しかし、入金より支払が先であったり、設備投資をして、支払が先であるのに経費として扱われるのが後になるようなものがると、お金の流れとして足りなくなります。
このお金が足りなくなるのをカバーするためにお金を借りることになるのです。
次回コラムに続きます。
(注)支払の年で一括で経費にならず、何年間に分けて経費にしていく減価償却資産の購入