健康保険 退職後の傷病手当金

資格喪失後の継続給付

 健康保険の傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがの療養のためにはたらくことができない期間に給与が受けられない場合、または給与の支払額が手当金より少ない場合に受給することができます。

傷病手当金が受けられる機関は支給開始時期から最長で1年6ヶ月の間の期間に算入されます。

 

資格喪失後の傷病手当金

 退職等で資格喪失した場合でも、傷病手当金を受け取れる場合があります。資格喪失日の前日(退職日)まで被保険者期間が1年以上あり、その日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、資格喪失後も引き続き支給を受けることができます。これは資格喪失後の継続給付であり、被保険者が出産のため休業する期間に対する出産手当金にも同じ制度があります。

 

任意継続被保険者となったとき

 退職したときに任意継続被保険者となった場合は、資格喪失時の継続給付に該当すれば任意被保険者であっても傷病手当金を受けることができます。ただし、任意継続被保険者になったあとに、病気やけがの療養のため働くことができないときには、傷病手当金を受け取ることはできません。

 

傷病手当金が支給調整される場合

 資格喪失後の継続給付は、資格を喪失した人が老齢年金を受けているときは原則として傷病手当金は受け取れませんが、老齢年金額の360分の1が傷病手当金の日額より少ないときはその差額が支給されます。

また、退職後に雇用保険の失業給付の基本手当を受けようとしても、傷病手当を受けていれば基本手当を同時には受けられません。基本手当の受給要件が「いつでも就職できる能力があるのにもかかわらず職業に就くことができない状態にあること」であるため、傷病手当金は受けられないのです(基本手当の受給期間延長はできます)。

このように退職後の継続給付で傷病手当金を受けているときには支給制限にかかることもあるので注意が必要です。