国税通則法等の改正による税務調査手続の見直し

国税通則法等の改正による税務調査手続の見直し

平成27年度税制改正において、国税通則法が改正され、税務調査手続の一部が見直された。これまで、調査が終了した後において新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは質問検査等を行うことができるとされていたが、改正により、再調査の前提となる前回の調査の範囲を実地の調査に限ることとされた。

この改正は、平成27年4月1日以後に行う前回の調査(同日前から引き続き行われているものを除く)に係る再調査について適用される。

また、調査の事前通知について、納税者と委任関係にある税務代理人が複数いる場合で、当該納税者が税務代理権限証書に代表する税務代理人を定めたときは、これらの代理人への事前通知は当該代表する代理人に対して行えば足りることとされた。

この場合、代表する税務代理人以外の税務代理人への事前通知は行われないことになるため、納税者に他の代理人の氏名等を確認し、通知された事項を他の代理人に伝えることになる。

この改正は、平成27年7月1日以後にされる事前通知について適用される。これに併せて、税務代理権限証書の様式も改訂され、「代理人が複数ある場合における代表する代理人の定め」欄が設けられる。

改訂後の様式は、平成27年7月1日以後に提出する税務代理権限証書について使用される。なお、代表する税務代理人に係る改正については、平成27年7月1日以後に行われる事前通知から適用することとされているが、代表する代理人の定めを記載した税務代理権限証書は、平成27年6月30日以前であっても提出することができる。

この場合は、改訂前の税務代理権限証書を使用することになるが、「2 その他の事項」欄に「上記の代理人に税務代理を委任した事項に関して調査が行われる場合には、上記の代理人をその代表する代理人として定めます。」と記載する。